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     第5作品集:夢 の 国 へ      
〜Natural Orchestra by Musical Artisans〜



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◆第5作品集≪夢の国へ≫:各曲のテーマ試聴◆

〜収録曲8曲の冒頭約1分が試聴できます〜

 「異世界への憧れ・夢想」をテーマにした作品集です。
中心的楽曲は、4曲目から7曲目までの、管弦楽組曲≪幻想の四季≫の4つの楽章です。
曲順については、コンサートでの曲順に倣って、軽い曲を前半に置き、
メインディッシュに相当する≪幻想の四季≫の4つの楽章を後半に並べました。
4曲目の<春の幻>と7曲目の<冬の旅路>がこの作品集の代表曲です。
1曲目は、オーケストラにジャズバンドが加わる編成の曲、2曲目はピアノ協奏曲風の管弦楽曲、
3曲目は小編成のジャズ、8曲目はピアノの小品です。
どうぞお聴き下さい。

 [2008年6月29日公開、MP3ファイル、約1MB]


1曲目
宇宙への扉


(Orchestra & Piano)


 サルバトール・ダリの絵画『最後の晩餐』の背後に浮かぶ正十二面体にインスピレーションを得て作曲した正十二面体の音楽(*1)です。
 12という数字にこだわって曲を構成しました。8分の12拍子で、ひとつのフレーズ単位は12小節になっています。
 ハ長調で始まりますが、めまぐるしく転調します。正多面体はどこから見ても形は変わらないので、正十二面体を転がすように、さまざまな調性で、さまざまな演奏バリエーションで基本モチーフを展開しているのです。
 2007年6月作曲。


2曲目
西方浄土


(Orchestra & Piano)


 “浄土”のイメージを持つ曲を作ってみようと思いました。
 クラシック音楽の中では、最もそのイメージに近いのが、モーツァルトのピアノ協奏曲の第2楽章で、とりわけ20番以降のものからは、どれもその印象が得られます。そこで、モーツァルトのピアノ協奏曲第24番・第2楽章をモデルとして、同じ変ホ長調で、ほぼ同じ楽器編成(*2)で、曲の構成も参考にして、ピアノと管弦楽のための曲を作ってみました。
 2008年4月作曲、変ホ長調。
 この曲は、常設曲ギャラリーCで全曲通して試聴できます。


3曲目
極楽鳥のワルツ


(Jazz Sextet)


 「極楽鳥」とは、ニューギニア島などに棲息する、派手な色彩の羽を持った、特徴的な求愛ダンスを行う鳥です。
 ジャズ・ピアノ・トリオとパーカッションをバックに、クラリネットと2本のフルートが、極楽鳥のダンスを演じます。随所に、ジャズのアルト・サックス奏者のチャーリー・パーカーのフレーズを取り込んでいます。
 パーカーの曲に、“Bird of Paradise”というバラード風の曲がありますが、この<極楽鳥のワルツ>とは似ても似つかない曲です。パーカーと私の、極楽鳥に対するイメージが全く異なっているのでしょう。
 2008年4月作曲、ヘ長調。


4曲目
春の幻


(Orchestra)


 【管弦楽組曲≪幻想の四季≫第1楽章】
 ≪幻想の四季≫は、3管編成のフル・オーケストラ(*3)による組曲です。オーケストラの魅力を存分に引き出せるような、チャイコフスキーを意識した、壮麗でカラフルなオーケストレーションを試みました。

 この<春の幻>では、ソロ楽器とオーケストラとの対比、対位法による対旋律、が聴きどころなのですが、この1分版では、テーマの提示の途中で時間切れです。以下の曲も同様です。
 2007年4月作曲、ハ短調。

 この曲は、常設曲ギャラリーAで全曲通して試聴できます。


5曲目
楽園の夏


(Orchestra)


【管弦楽組曲≪幻想の四季≫第2楽章】
 オーケストラによる前奏後、クラリネットがソロでテーマを提示します。そして、ラテン・パーカッションが絡みながら、曲が盛り上がっていきます。
この曲の聴きどころは、3度訪れるフルオーケストラによるクライマックスや、静と動の曲想転換などです。
 2007年8月作曲、変ロ長調。

 「楽園」のイメージについては、聴かれる方が自由に想像して下さればいいと思っています。作曲する際は、特定の場所を想定して作曲を始めたわけではなかったのですが、作曲作業の進行過程では、ますむらひろし氏の漫画、『アタゴール』の世界のイメージが、何度も頭の中に降り注いできて、曲の細部の雰囲気を決定づけていきました。
 したがって、タイトルは、<アタゴールの夏>でもよかったかもしれません。

この曲は、常設曲ギャラリーAで全曲通して試聴できます。


6曲目
秋の気流


(Orchestra)


【管弦楽組曲≪幻想の四季≫第3楽章】
 澄んだ青空のもとで、遠くまで広がる明るい秋の風景画を描くつもりで曲を書きました。
 中間部は秋祭りの賑わいを表現してみました。
 弦の中低音域(ヴィオラ・チェロ)でテーマが提示され、クラリネットソロを経て、弦楽合奏に引き継がれていきます。
 2007年11月〜2008年2月作曲、二長調。

 この曲は、常設曲ギャラリーAで全曲通して試聴できます。


7曲目
冬の旅路


(Orchestra)


【管弦楽組曲≪幻想の四季≫第4楽章】
 メロディーラインは、モーツァルトの短調で速いテンポの曲を意識して、書きました。
 テーマはまず弦楽合奏で提示され、ついで、フルートとハープに引き継がれます。
 2008年2月作曲、二短調。
 構想では、曲の終り近くの“夢の世界”が先にでき、そこから逆算して、“旅路”の経路を構築していきました。


8曲目
月の夢


(Piano Solo)

 夜空に浮かぶ月への、作曲者の夢想を形にした曲です。
 ピアノに向かって曲の細部を練り上げていくうちに、左手にJ.S.バッハの鍵盤曲の感覚が何度も襲って来ました。その感覚をそのまま受け容れ、バッハの対位法の技法を意識的に取り入れて曲を仕上げていきました。
 2008年4月作曲、ト長調。

 8分の6拍子で、リズムは1曲目の<宇宙への扉>に似ています。曲の雰囲気は対照的で、<宇宙への扉>を「陽」とすれば、この<月の夢>は「陰」でしょう。この相補性を考慮して、この作品集の第1曲目を<宇宙への扉>、最終曲を<月の夢>、とすることに決めました。

 この曲は、常設曲ギャラリーBで全曲通して試聴できます。


作曲・編曲:森 さちや
演奏・録音:森の音楽工房 Musical Artisans


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(*1) なぜ正十二面体の音楽が宇宙への音楽なのか:
 正十二面体には宇宙の香りがします。おそらく、図形的には黄金比との関連が深いためでしょう(正五角形の対角線と1辺の比が、黄金比です)。
 人類は、太陽と地球の時間的関係を、12や、12の倍数を仲立ちにして、理解してきました。1年は12カ月、1日は24時間、など。
 また、歴史的にも正十二面体は、宇宙の調和を確信し、協和音理論の出発点となった、ピュタゴラス学派に発見された経緯があります。
 さらに、天文学者ケプラーは、ピュタゴラスの天体の音楽の構想を引き継いだうえ、地球の惑星軌道の天球に外接する正十二面体を夢想していた時期がありました(それに外接するのが火星の天球)。[J. ケプラー『宇宙の神秘』大槻真一郎訳、工作舎]
 地球天球に外接する正十二面体。これほど宇宙への想像力を触発するアイディアはめったにないでしょう。

(*2) <西方浄土>の楽器編成:
 ピアノ、フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット、ホルン2、弦楽器群(ヴァイオリンT・U、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)。モーツァルトのピアノ協奏曲第24番・第2楽章とは、フルートとファゴットの本数が異なるだけです(後者はそれぞれ1本と2本)。
 どちらも、ほぼ標準的な2管編成のオーケストラです。ただし、トランペットと打楽器はありません。

(*3) 3管編成のオーケストラ:
 19世紀後半に、後期ロマン派の作曲家たち(ブルックナー・チャイコフスキーなど)によって採用され始め、今日フルオーケストラの標準的編成として定着している編成です。
 3管とは、4種の木管楽器グループが各3本ずつ配置されることを指しています。
 (ピッコロ1・フルート2、オーボエ2・イングリッシュホルン1・クラリネット2・バスクラリネット1、バスーン2・コントラバスーン1)
 そして、金管もそれに準じて規模の大きい編成をとります。
 (たとえば、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、チューバ1)
 弦楽合奏は、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、と、構成は2管編成と変わりませんが、各パートの人数が多くなります。
 また、打楽器群も豊富になり、オーケストラ全体として、色彩豊かで幅広い演奏効果を狙ったオーケストレーションが可能となります。
 NHK大河ドラマのテーマ曲や、大編成の映画音楽なども、3管編成によるオーケストレーションが施されているものが多いようです。

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